虎之助はポートフォリオに【BP、RDSB】といった高配当原油メジャー株へ投資しています。
年初より中国武漢に端を発した、新型コロナウィルスの影響で、投資家は中国の原油需要の下落を予想し、原油(以下原油価格はWTI価格)を売り叩き、それに合わせ、原油株も売り込まれています。
今後の原油株の株価動向は、原油価格動向次第なので、虎之助は2020年の原油価格を勝手に予想します。
1.2020年原油価格動向予想
2011年から2014年に掛けて、【100ドル/バレル】まで上昇しましたが、2016年には1/3の【30ドル/バレル】まで叩き売られました。
2018年には【70ドル/バレル】まで回復しましたが、足元の、2/15時点のWTI原油価格は【52.32ドル/バレル】まで下落しています。
現在までの原油価格推移は以下の通りです。
また、世界の原油生産量シェア(2018年時点)は以下の通りです。
①地政学リスク 【価格UP要素】
2019年には中東での地政学リスクが顕在化し、原油価格は一時的に【60ドル/バレル】を突破しました。
主なリスクは”米国”と中東のイスラム教シーア派の盟主である”イラン”の対立の激化です
以下が時系列に並べた出来事です。
上記の通り、中東の地政学リスクは高まっています。
但し、2020年に選挙を控え、海外での戦争参戦になれば米国国内支持率が落ちてしまいうので、トランプ大統領としては、これ以上イランとの対立を激化したくない。
また、一方のイランとしても、現在もアメリカよりの経済制裁でイラン経済は疲弊しており、これ以上対立激化による、更なる経済制裁は避けたいところ。
従い、両国とも表面上は激しく応酬するが、決定的な事態(戦争)には発展しないと考えています。
②米国シェールガス企業のリグ増加 【価格DOWN要素】
シェール革命により、アメリカはサウジアラビアを抜いて、世界最大の産油国となっています。
そのシェールガスは、”リグ(上の写真)”という油井から産出されています。
シェール生産企業は、原油価格が上がればリグを増加させ、下がればリグを減らします(増加しない)。
2016年5月に原油価格下落に合わせ、リグ数も下落しましたが、その後一旦盛り返すも、現在は再度下落傾向です。
従い、一旦は米国の原油在庫は下落になる見込みとなり、原油価格は上昇する可能性があります。
但し、今後原油価格が上昇したとしても、それに合わせリグ数も増加されるため、原油価格の上値を抑えます。従い、今後地政学リスクが高まっても、100ドル/バレルといった異常な高値にはならない見込みです。
③OPECの減産傾向は変わらず 【価格UP要素】
OPECの最大産油国であるサウジアラビア政府財政は、歳入 8,950 億サウジリヤルの 68%を石油の輸出代金が占めており、原油に大きく依存した体制です。(2018年時点)
原油価格が上昇すれば、ぼろ儲けですが、原油価格が低迷すると赤字財政となります。
そのため、原油価格を高く安定させることが国家戦略となり、OPECでの協調減産を主導し、自ら率先して減産を実行し、死力を尽くして原油価格を押し上げようとします。
但し、OPECでの協調減産により原油価格を押し上げても、その原油価格上昇によりアメリカのシェール企業がシェール生産量を増加させる結果となり、逆に原油価格の下落圧力となる皮肉ななど、こちらも原油価格を大きく押し上げる事は難しい見込みです。
④中国を中心とした世界的需要は、2020年後半に持ち直す【価格UP要素】
みずほ銀行がIEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)資料によりまとめた数値によると、2020年前半は需要より供給が多いことにより在庫過多になります。
但し、2020年後半に需要が増加することにより、ギャップは縮小します。
現在、新型コロナウィルスの影響により、中国の原油需要が大きく減少すると見られ、現在市場では原油が叩き売られ、大きく価格が下がっています。
新型コロナウィルスの影響は、これからボディーブローのように効いてくるとみており、中国の景気(原油需要)は、少なくなる可能性が高いです。
但し、新型コロナウィルスはSARSと同様に高い温度に弱く、遅くとも2020年6月位にはウィルスが終息に向かうとみられており、経済の停滞を取り戻すべく、中国政府のてこ入れも期待できることから、中国の需要は2020年後半に盛り返す可能性が高いです。
何より米国経済も好調を維持しているため、今後も世界的需要は継続して増加することが見込まれます。
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